~立体図法編その1~
まずは写真から寸法を出す為に立体図法の基本を少し解説します。
本来同軸上にある平行線は交わらない筈なのですが
人間の目やカメラレンズは焦点に向かって歪んで見えます。
それを擬似的に平面に投影して
立体的に見せる図法が「パース」と呼ばれる物です。
現実世界は3次元ですから軸は3軸しかありません
という事は、視線の角度によって1~3点透視のどれかに
あてはまる見え方になっているはずです
1・2点透視の見え方になっている場合、
残りの軸は歪みがでていない軸という事です。
測定はこの平行になっている軸を利用します。
あとは基本中の基本の理論
1点・2点透視の場合、消失点は必ず水平線上にある
…という法則を覚えておけば、ある程度のスケールを測る事ができます
分かりやすいようにロケ写真を見ながら実際に測っていきます。
ロケ写真の撮り方ですが、
事前に自分がカメラを構えた際の大体の高さを把握しておきましょう
そして測定しやすいように高さ方向の軸が垂直になるように撮影します。
高さ方向が垂直になっていて水平線上に消失点がありますね。
この場合、横から見ると下図のような状態になっています。
高さ方向が垂直=視点と注視点の高さが同じ
そして地盤もしくは床に勾配がついていない場所なら
水平線との距離も同じということです
改めてロケ写真を見てみましょう
今回およそ1500mmの高さで写真を撮影しているので
赤線(水平線)から床の距離が約1500mmという事です。
さらに奥の歩行者の頭部の高さが水平線上に揃っている事から
床のレベルがほぼフラットだという事も分かります。
ここまで分かると全ての高さ軸は測定できるはずです。
目分量でも良いですが、写真データがあるなら
画像編集ソフトの定規ツールで画像の距離を測って比率計算していきましょう。
例えば、緑で柱の高さ、水色で天井高が出せます。
1500:a=χ:b となります。つまり1500×b÷a=χですね
中学レベルの数学が出来れば大丈夫なはず(^_^;)
あと良く観察すれば分かりますが今回のモデルは
黄色のブロックの繰り返しになっていますので
その部分だけ作りこめばあとはコピーできると分かります
その他、知りたい最低限ポイントの高さを出しておきましょう。
建物は大枠の寸法さえキッチリ押さえておけば、
若干細部の寸法が違っていても大体同じような印象になります(^_^;)
それだけにボリュームの掴みが大事だという事です
MMD40cm=メタセコ50なので
導き出したcm換算の実寸×1.25で数値モデリングすれば
同じスケールの建物がMMD内で再現できます。
ちなみにこの比率は標準モデルのミクの大きさと
公式のミクのプロフィールの身長比率から出された物で
MMDver3頃に出た数値だったと記憶しています。
公式モデルに合わせてキャラモデルを作れば
家具等の寸法計算されたアクセサリをそのままの大きさで使える
という利点もある訳ですね。
選考公開したステージの作り方です。
資料を全部作り終えるまで時間がかかるかもしれませんが
順次公開していく予定です。
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~はじめに~
キャラクターや小物アクセサリを作る方は増えましたが
背景モデラーさんはまだまだ少ない気がします。
建築物は単純な形状の組み合わせになるので
キャラクターよりもモデリング作業としては
簡単で初心者向けな題材です。
ただ、慣れていない人にとっては正確な形が取りづらく、
苦手意識を持ちやすい題材でもあります。
見た目の雰囲気だけでモデリングを始めてしまうと
後々に整合性が取れなくなり、行き詰って中断
…という経験がある方も多いのではないでしょうか?
理想はフリーのCAD等を利用して事前に2D図面を作る
もしくは工業系の仕事をされている方なら
アタリ用として3DCADでモデルを作ってしまう事ですが
(寸法の正確性にこだわるならフリー版SketchUpで制作→コンバートという手もあります)
CADなんて使えないよ!という方の為に
今回は立体図法を利用して大まかな寸法を割り出し、
メタセコだけで再現モデリングをやってみようと思います。
いくつか再現モデリングをしていると
空間把握力がつくので架空の背景も作りやすくなります。
是非、背景モデリングに挑戦してみて下さい。
注意点
※あくまでも一手法ですので慣れている方は
ご自身で効率の良い作り方を確立させていって下さいね。
※東京駅プロジェクトレベルの物を作るなら図面必須ですw
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今回の参考モデルの建物紹介
・ハービスENT http://www.herbis.jp/
JR桜橋口・地下鉄四つ橋線西梅田駅から近い場所にある商業施設です。
劇団四季の劇場やBillboard LIVE(元ブルーノート)があり、
世界的に有名なジャズミュージシャンの公演も良く行われています。
今回モデルにする場所は西梅田駅からBillboard LIVEへ向かう地下通路です。
他の内装も凝っていて綺麗な建物ですので
是非大阪に来られた際は訪れてみて下さい(^o^)/