~立体図法編その2~
水平方向の測定をします
今回のロケ写真は1点透視になっています。
つまり奥行き方向だけの軸が歪んでいて、
水平方向の軸は平行を保って見えている事になります。
歪んでいないという事は、同じ位置にある
高さ方向の軸の距離をそのまま利用できます。
高さ軸と同じ比率計算で水平軸の距離も出せますね。
次に奥行き方向です。
良く観察すると今回の床の大きな円の模様は
大体柱芯が中心に通っていると分かります。
正方形・長方形の対角線の交点は中心になるはずなので
小さな円が丁度半分の位置にあると分かります。
次に床の柄の参考にする為に追加で撮影した写真を見ます。
円の直径は全体の写真から水平距離の比率で出せますね。
直径の距離はどの角度でも同じなはずですから比率計算で
柱芯⇔小さい円の中心の距離が出せます。
小さい円は丁度半分の位置にあるので
柱芯⇔小さい円の中心の距離×2で1ブロックの奥行き寸法になります。
以上で3軸全部のボリュームの数値が出せますね。
今回写真2枚だけでこれだけの測定が出来ました。
図形の知識を活用して形状観察する練習を普段からしておくと
モデリングの効率が上がりますよ。
~補足~
今回の立体図法の理論の測定以外の使い方として
今度は添景を正確なスケールで合成してみましょう。
分かりやすいように2点透視の簡単な建物外観の線画を作ってみました。
これも視点の高さ1500mmで作っています
1F事務所・2~3は居住フロアのよくあるS造3階建てのイメージですw
この場合、画面上に消失点は見えていませんが、
消失点は水平線上にあるはずなので、
玄関がある正面の面の水平方向の軸は水平線より上の位置は右下がり、
下の位置は右上がりになるはずですね。
側面の奥行き方向の軸は逆に水平線より上は左下がり、
下の位置は左上がりになるはずです。
この事から水平線の大体の位置が割り出せます。
高さ軸が歪んでいない見え方の場合、GL⇔水平線距離≒視点の高さなので、
およそ10000mm(10m)の建物だとわかりますね。
ここに人物を合成してみましょう。
この図は水平線が1500mmの高さなので、およそ目の高さになるようにしつつ
子供は背が低いはずなので身長差を考慮して合成します。
次に3000mm(3m)の街路樹を入れてみましょう。
GL⇔水平線×2の距離が3mになるはずですね。
水平線位置の高さを考慮すれば、補助線をほとんど引かなくても
正しいスケールの添景合成ができます。
余談ですが、さらにもう少し上級の立体図法の紹介をすると
中心の縦軸と水平線の交点から対角に引いた線を延長させ、
最高高さから水平に引いた線との交点から垂直に線を引いて
GLから水平に引いた線を結ぶと、概算ですが正面壁の立面が割り出せます。
建築透視図は図学として確立されていて国家資格(技能士)もあります。
興味がある方は書店で建築系に分類されている
パースの本を是非読んでみて下さい(^o^)
パズル感覚で面白いですよ~。
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